カテゴリー別アーカイブ: 2.ガラス工芸

サンドブラストによるガラス彫刻工芸について

ガラスを彫る工芸の一つで、アトリエピジョンで行っているのはサンドブラストによるものです。サンドブラストは微細な砂に圧力をかけて削るというシンプルなもの。なので、ただ砂をかけるだけだとガラスがすりガラス状になるだけになります。

そこで、彫らないところマスクを貼って、彫る部分だけに砂をかけます。そうすると彫ったところと彫っていないところの差でデザインが表現できるのです。

↓ マスクになるシートをガラスに貼り、デザインを描いています。
描きあがったらマスクをカットして彫る部分のシートをめくります
マスク製作

少しづつシートをめくってガラスを削って出来上がったものです
羽根のぐいのみ

写真のガラスはもともと色違いの2層になったもの
削る深さを変えることで、奥行きも出せます(^^)

 

山の日

今日は山の日。
今年からできた国民の祝日で『山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する』日だそうです。長期休暇を取りやすいですよね!アトリエピジョンは長期休暇は取ってませんが、長期休暇が取れると家族との旅行にも余裕をもって楽しめますね♪
どうぞよき休日を

この休日は日本山岳会のおかげらしく、HPに書かれてました

山に登ったつもりで、、、山の彫刻写真を(笑)
山の彫刻

ガラスの気泡

グラスにとってもこだわっている方の中には、ガラス素地に小さな気泡が入っていることを機にされる方があります。1点の曇りもない澄んだ素地は気持ちの良いものですものね

この気泡ができる原因は、小さな不純物。溶解したガラスのもとの中に不純物などが入ると、ガスが発生してガラスに泡が入ります。
様々なガラス素地を作る炉ではこれは避けられないそうで、まったく不純物のないものを作るには同じ素地だけを作るように管理するしかないというお話を伺いました。炉の管理も大変ですね。ほかのものを作れないとなるとその素材でできるものだけ…それだけにお値段も高額になるのでしょう。

こう書くと気泡が悪者に観えてきちゃいますが、気泡って人気あるのですよ。
どこか懐かしさを醸し出すものであったり、アート性のあるガラス技法まで確立されてます。
不純物によるガスの発生を利用して、わざと木片などを入れるのですが、これによりちょっとした装飾ができます。作家さんによっては、宇宙のような世界観を表現したり、水中の神秘的なものを表現したり、アート御性の強いものまで手掛けられてます^^

泡ガラス

 

ポンテ跡

吹きガラスを依頼するとガラスの中央に小さな傷のような丸い跡が残っています。

これはポンテ跡といわれるものです。吹きガラスは吹き竿でとった硝子のタネに吹き込み、モール型などを使って形作ったり、口を広げたり模様をつけたりして形を作っていきます。その際、吹き竿からポンテ竿と呼ばれる空洞のない竿に付け替えます。

その際、ガラスの底の中央には橋渡しをするための接着剤として小さなガラス種を使用します。このガラス種のことをポンテといいます。最終的にはガラスから切り離すのですが、そのあとが残るんですね。ポンテとはイタリア語で「橋」を意味します。熟練された職人さんは、微量のガラスだけで竿に付け替えるので鉄ポンテともいわれるそうです。

いずれにしても、あとは残ります。
このポンテ跡、きれいに削って磨いたり、手を切らない程度に削るだけにしたりと作家によって処理が違ってます。ある作家さんは、今ポンテ跡を処理をしないでいかにきれいに残すかが腕の見せ所と話されてました。

おへそのようで、残しておくのも良いですよね!
ですが、サンドブラストで彫刻する際に、ポンテ跡が非常に邪魔になることがあるんですね。それで跡形が無いように磨いてもらうのです。

この写真のものはシリーズで吹いてもらったものの一つ。
底面にはサンドブラストの彫刻はありませんが、シリーズのため同じように磨いてもらいました
小鉢

彫刻硝子花器 群虫図/日本・フランス現代美術世界展・推薦部門出品

砂を吹き付けて削るだけという とってもシンプルな方法で製作するサンドブラストは、シンプルなだけに表現できる可能性は無限。とはいっても、まだ歴史が浅く、その表現をするための技法も確立されていないため随時作家がそれぞれに試行錯誤を繰り返してます。

砂を吹き付けるだけだとのっぺりした感じになります。
ガラス窓がすりガラス状になっているのとか、日本酒のボトルで半透明になっている表面がざらっとしたのを想像してもらえればイメージは近いです。
そんなただ半透明になっているだけなので、表面の素材感を作るには、ただ削るだけではできない何らかの工夫が必要になります。それを見つけ出すのは至難の業。そして途方もなく時間がかかる場合もあります。

ということで、下写真の木肌は見事。作品を提供していただいている作家さんの作品で、ついでに言うと虫の足のようなかなり細かい表現も、一つ一つ手でカットをしているとなかなかに難しいものでもあったりします。
サイズ的にはクワや角を入れて、 ノコギリクワガタとカブトムシは7センチぐらい、 コクワガタで、3センチぐらい。これを厚みのあるマスクシートをカッターで丁寧にカットして彫る部分を剥いでは彫るという作業を繰り返すのです。なので、小さく細かいと、どれほど大変な作業になるか想像したくない、、かもしれません

ぜひ作品を身近で見ていただいて、作家の汗もついでに感じてもらえればうれしいなと思います

東條 群虫図

Sandblast Vase Insects
彫刻硝子花器 群虫図/東條裕志
Product 2016
日本・フランス現代美術世界展・推薦部門出品(2016)

8月開催の日本・フランス現代美術世界展に出品する作品の一部です。

第17回日本・フランス現代美術世界展(2016)
会場:国立新美術館 3A展示室 (東京・六本木)
会期:2016年8月3日(水)~8月14日(日)※8/9は休館
入場無料 10:00~18:00(入場は17:30まで)

 

 

 

薄く彫られたガラス工芸

昨日のお問い合わせより
彫るというよりは薄ーく削るといった感じのぼかし彫刻。背景が暗いところで光に当てると輝いて見えますが、水にぬれるとほとんど見えなくなるもの。背景が明るいところでもわかりやすい、しっかり彫り込まれた作品を好む人が多いのですが、その繊細さがいいのだと。人の好みは様々ですね。

写真は10年ほど前のご依頼品です
水の華

上善水の如し

自然の造形はよくできていて、その機能を参考にされて設計されているプロダクツが多いですよね。循環する空・大地や木々に加え単体の生物からも取り入れられているのが確認できますから。単体では機能性や無駄のないフォルムでは昆虫が最強かもしれないと思ってます。

そういったことで、作家としての私は普段からできるだけ自然の造形を観察するようにしており、
先日は滝を見に行ってきました。

前日は雨だったとはいえ、この上流を見るとどこからこれだけの水が湧き出てるのか不思議なぐらいに勢いのよかった滝。やわらかくしなやかな水が、岩をも砕く力となるのですよね。

上善水の如し

老子の言葉がよぎります。

しなやかで強さもあり、争うことがなく低きところに留まる水は、その性質故にすみずみまでいきわたる。最高に優しい存在でありながら頼りになる強さも持っている。こんな生き方ができればすばらしいだろうと考えずにはいられません。
 
水へのあこがれは、ここにあるのだろうと思いました。
上善如水を表現するのは難しいのですが、せめてひとつづつの性質を表現したり、いつか水の中の『気』をつかみ表現できればと思ってます♡
 
今日は作家としての思いでした

色映りがちょっぴしくすんでる&ピンボケ&画質悪いですが、気のおすそわけです

滝滝2

蔓の縁起

事務所近くの大きな家の奥さまは庭の手入れが日課。
ベランダの柵にはわせたツタの葉はこの陽気であっという間に柵が見えないほどに。でもこまめに手入れされてるので、とても美しいのです。

ツタの繁茂力はすごいですよね。
蔓系のものはその繁茂力や強く絡み合いながらも、どんどん伸張することから隆盛繁栄、子孫繁栄のシンボルとして、 またその生命力の強さから長寿などの縁起に、それに「 縁をつなぐ 」とも言われて重宝されているモチーフで、アトリエピジョンでもよく使用されているのです。

唐草模様も蔓系ですね。ということで、身近なものを見渡してみると、蔓系のものがかなりたくさんありました。知らないうちに縁起もらってたかもしれません(*^^*)

和ガラスセット ほおずき
和ガラスセット(ガラス彫刻工芸作家:東條裕志氏作)

 

ガラス彫刻工芸品でお祝いする

毎度、取引先の就任や周年のお祝いなどで時計をご依頼いただいてる方がご依頼のたびに、お気に入りの商品があり欲しいと言っていました。それが、西田氏作のロックグラス ユングフラウ。
ある時、その方の奥さまとおっしゃる方からユングフラウのご注文がありました。お話伺ってると旦那様への誕生日プレゼントとのことでした。家でも時折ユングフラウの魅力をプレゼンしていたそうです。もう3年ほど前のことなのですが、ここ最近いただく質問でふと思い出しました。

ビジネスユースでのご依頼は、「一般的なのか」「マナーにあっているか」「失礼に当たらないか」などのご質問が多く、あまり認知されてないものよりも比較的無難なものを求められている方が多いです。少し認知されてきたのか、ガラス彫刻工芸品でもこういった質問がみられるようになりました。

はっきりいうと、サンドブラストでのガラス彫刻工芸品は一般的ではないです。それほど市場に出回っていないうえ、作家自体まだまだ少ないですし切子などのように長い歴史のある工芸品ではないということもあります。
それでも5万~20万円ぐらいの御就任や周年記念のお祝い品に候補として考えてくださっている大手企業・団体さんも少しづつ増えてきてます。ご依頼いただいているとある広告代理店さんに伺うと一番の決め手は「相手に合わせたモチーフを工芸品という形でオーダーできるから」とのことでした。

ビジネスユースでは会社で金額設定されていると、良くお伺いします。そのため、高額になりがちな工芸品のオーダーメイドは予算に合わない場合が多いです。そういった時にご利用いただきやすい名入れが可能な工芸品のアイテムをそろえていきたいなと思います。

コルシカ美術賞展・海外推薦出品 –東條裕志氏–

群虫図 東條裕志氏

ガラス彫刻工芸作家の東條氏
昨年のベルギー・オランダ美術賞展と日本・フランス現代美術世界展の推薦部門出品に引き続き、今年はコルシカ美術賞展・推薦部門で出品されました。先月26日までだったのにご案内できずごめんなさい。

東條氏の作品をみて、特注オーダーくださった方が、実際に目にして「すばらしい!」と連呼されてたのを思い出します。

現代に生まれたまだまだ認知されてない歴史の浅いサンドブラスト工芸ですが、こうやって世界中で作家さんたちが出てくると嬉しいです。

東條裕志氏のプロフィール

東條さん コルシカ2