サルバトール・ムンディにみる陰陽

レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の名作とされていたサルバトール・ムンディ。2017年11月に美術作品史上最高価格(約508億円)で落札されたことで話題になったので、ご存知の方も多いでしょう。

サルバトール・ムンディは、ラテン語で「救世主」を意味するもので、イエスキリストを描いたものです。ダヴィンチの作品の一つであるウィトルウィウス的人体図では、ウィトルウィウスが「シンメトリは神の姿の現れであり理想の形」と提唱しているようにシンメトリの理想形が描かれており、サルバトール・ムンディもまた神を表現したのではという説があります。

ところが、正面を向いているものの左右非対称の表現で、左が男性的で右は眼が大きく頬もふっくらとして女性的。この点でも憶測が憶測を生んで様々な議論がされているようです。ただし、目頭の間隔は違うように思います。いずれにしても、誰も真実を知ることは出来ない…

なので、私も勝手に憶測してみました(^_^)
ダヴィンチほど理論も知識も絵画の技術もあったなら、表現したかったことはそのまま映し出されているのだと思うのです。神の理想形であるシンメトリの中にあえて、アシンメトリなものをいれバランスをとっているなら、これは陰陽の表れではと。キリスト教はよく知らないので陰陽という言葉を使ってよいのかはわかりません。けれど、光と影、男性と女性性と考えれば、腑に落ちたように思います。ま、勝手な憶測なのですが

Leonardo da Vinci, Salvator Mundi, c.1500, oil on walnut, 45.4 × 65.6 cm

ところで、サルバトール・ムンディはモナ・リザと同じモデルではと考察されている方も多くて、並べてみると、男女の違いは在れど左目が小さくて頬のふくらみ具合や鼻の曲がり方、肉付きなどディティールがよく似てます。

左右を分割して考察されているものを読むとなるほど納得な部分も多く、想像はますます膨らみますが、どこまでも想像でしかないのでしょう。謎だからこそ、魅力があるのかもしれませんね

Mona Lisa, by Leonardo da Vinci, from C2RMF retouched

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